「朝の通勤時間帯でも踏切から人があふれていて、まともに道路を通れない」「ゴミのポイ捨てや私有地への無断侵入が常態化している」。鎌倉市に暮らす沿線住民からは、疲弊しきった悲痛な声が聞こえてくる。観光地としての賑わいは地元の観光業を力強く支える一因ではあるものの、許容量を超えたオーバーツーリズムは地域社会の基盤を壊しかねない。
本来なら静かで叙情的な湘南の暮らしが、終わりのない撮影スタジオに変貌してしまったかのような錯覚。狭い生活道路に大型観光バスやレンタカー、歩行者が混在し、緊急車両の通行すら危ぶまれる場面も報告されている。地域経済への恩恵と引き換えに、住民が被る精神的・物理的負担は限界に達しつつある。