江の島の喧騒をすり抜けた先で何が起きているのか――2026年、辻堂海岸が選ばれ続ける「飾らない日常」の正体

江の島の喧騒をすり抜けた先で何が起きているのか――2026年、辻堂海岸が選ばれ続ける「飾らない日常」の正体

江の島の喧騒をすり抜けた先で何が起きているのか――2026年、辻堂海岸が選ばれ続ける「飾らない日常」の正体の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

湘南を訪れる大半の観光客は、小田急線に揺られて江の島の弁天橋を目指すか、あるいはサザンオールスターズの残り香を追って茅ヶ崎のサザンビーチへと向かう。週末の国道134号線は相変わらずテールランプの列で赤く染まり、人気カフェの前には順番待ちの列ができる。それは昭和から令和へと受け継がれてきた、湘南のお約束の景色だ。

だが、その二つの熱源のちょうど真ん中に位置するこの海岸へ一歩足を踏み入れると、空気の密度が一変する。聞こえるのは観光客の歓声ではなく、波頭が崩れる重低音と、砂浜を走る犬の息遣い。浜辺に腰を下ろしているのは、流行のビーチウェアに身を包んだインフルエンサーではなく、色あせたスウェット姿で文庫本を開く近隣の住人たちだ。

誰かに見せるための海ではない。自分が呼吸を整えるための海。記号化された「湘南ブランド」の消費に食傷気味になった人々が、最後にこの名もなき居心地の良さへ流れ着いている。

山田 真由
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山田 真由

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