本作の成功を語る上で欠かせないのが、脚本を手掛けた大森美香との濃密な連携だ。大森が紡ぎ出すセリフは、歴史の教科書に書かれた事実の羅列ではなく、生身の人間の感情が剥き出しになった言葉ばかりだった。吉沢はその意図を瞬時に汲み取り、時に激しく叫び、時に静かに涙を流しながら言葉に魂を吹き込んでいった。
栄一の挫折と再生、そして家族や友との絆を描くシーンにおいて、脚本と演技が完璧にシンクロした瞬間が幾度もあった。大森の筆力と吉沢の表現力が生み出した化学反応は、ドラマ史に残る数々の名場面を生み出す原動力となった。