吉尾弘美のキャリアを紐解く上で欠かせないのが、その初期における徹底した現場体験である。若い頃から与えられた枠組みにとらわれず、常に課題の本質を見極めようとする強い探求心を持っていた。周囲が躊躇するような前例のない試みにも果敢に挑み、着実に実績を積み上げていった。
当時の業界環境は、従来の慣習や固定観念が強く残る時代であった。その中で吉尾は、論理的なデータ分析と人間的なコミュニケーションを組み合わせるという独自のスタイルを確立した。単なる理論家にとどまらず、みずから汗を流して現場を動かす姿は、当時から多くの同僚や関係者に強い感銘を与えた。
困難な局面に直面した際にも、吉尾の決断は常に明確であった。客観的な事実に基づきながらも、関わる人々の思いを汲み取る柔軟さを忘れない。この原点とも言える姿勢が、後の大成を支える揺るぎない礎となったのである。