株式会社吉田の経営に目を向けると、日本有数の成功した事業承継・ファミリービジネスのモデルが見えてくる。創業者・吉蔵から二代目の滋、三代目の吉田幸裕へとバトンが渡され、現在は親族を中心とした経営陣によって伝統が守られている。同族経営でありながら非上場を維持し、目先の売上追求よりも品質第一を貫く姿勢は稀有だ。
経営権の継承とクリエイティビティの発現。この二つが分離しつつも互いに敬意を払い続ける関係性は、多くの老舗企業がぶつかる事業承継の課題に対する一つの解答でもある。同族内での役割分担が奏功したからこそ、今日のアパレル市場における確固たるポジションが維持されている。