アガベが一生の幕引きとなる開花へ舵を切る際、株の中心部には明確な「開花の前兆」が現れます。日頃から株を観察している愛好家であれば、通常の成長点とは異なる異変にいち早く気づくことが可能です。
最大の兆候は、ロゼットの中心部(成長点)から太いアスパラガスのような円筒状の「花茎(かけい)」が突如として突き出してくる現象です。通常の新しい葉の展開とは明らかに形状が異なり、節を持った強靭な茎が上空へ向かって一直線に伸び始めます。
この段階に入ったアガベの花茎が伸びる速度は驚異的です。大型品種(アガベ・アメリカーナなど)の場合、最盛期には1日に10cm〜15cm以上ものスピードで伸長し、わずか数週間から1〜2ヶ月の間に高さ5メートル〜8メートルに達します。
近年日本国内で圧倒的な人気を誇る「アガベ・チタノタ(オテロイ含む)」においても、鉢植えのコンパクトなサイズ感から突如として天井に届くほどの花茎が立ち上がり、SNS上で「チタノタが開花モードに入ってしまった」「嬉しい反面、枯れるのが惜しい」と大きな反響を呼ぶケースが相次いでいます。