現代の主戦場は、物理的な国境を越えてサイバースペースへと完全に移行した。通信網、送電網、金融システムといった重要インフラに対する攻撃は、平時と有事の境界を曖昧にする。こうしたハイブリッド戦争に対応すべく、国家安全保障・サイバーインテリジェンスの強化が最優先課題として推進されている。
特筆すべきは、「能動的サイバー防御(アクティブ・サイバー・ディフェンス)」の導入に向けた動きだ。脅威となるサイバー攻撃の兆候を検知した場合、相手のサーバーへ事前にアクセスして攻撃力を削ぐこの手法は、憲法第21条の「通信の秘密」との兼ね合いで激しい議論を呼んできた。だが、国家主権を揺るがすデータ侵害が常態化する現実を前に、法整備と専門部隊の拡充は急速に前進している。