そもそも、なぜ口元にあれほど頑固な溝が刻まれてしまうのでしょうか。マリオネットラインの形成は、単なる乾燥や肌表面の弾力低下にとどまらず、皮下組織から骨格に至る4層の構造変化によって引き起こされます。
第1の要因は、支持靭帯(リガメント)の緩みとSMAS(表在性筋膜)のたるみです。頬の脂肪を骨に繋ぎ止めている「下顎リガメント」が加齢や重力によって伸びると、支えを失った頬の脂肪(バッカルファットやメーラーファット)が雪崩のように口元へと雪崩れ込みます。
第2の要因は、口角下制筋(こうかくかせいきん)の過緊張です。口角を下げる筋肉が日常生活の無表情や食いしばり、ストレスによって硬く収縮し続けると、口角が常に下方向へ引っ張られ、マリオネットラインの溝をより深く固定化させてしまいます。
第3の要因は、40代・50代以降に加速する下顎骨(あごの骨)の骨吸収とコラーゲンの減少です。土台となる骨が痩せて小さくなることで、その上に乗っていた皮膚や脂肪が余り、口元にたるみとなって溜まる構造的変化が生じます。