消費者がモノの機能や品質ではなく、「他者からどう見られるか」に金を払う時代が到来した。この現象を捉えるキーワードこそが承認欲求経済だ。商品そのものの魅力以上に、「映えるかどうか」が購買決断の決定打となった。
店舗デザインはカメラレンズの画角を考慮して作られ、メニューはスマートフォンの画面越しに最も美しく見える色彩へと改変された。実用性や味覚といった従来の価値基準は後回しにされ、デジタル空間でのシェア可能性がビジネスの成否を分ける狂乱が続いた。企業もまた、この欲望のシステムに自ら進んで乗っかっていったのだ。