脚本と企画を手掛けたマーク・プロトセヴィッチは、ハリウッド黄金期の映画に対する深い愛情と、現代的な映像手法を融合させる手腕に長けたクリエイターだ。本作において彼は、ロサンゼルスの眩い陽光と陰鬱な犯罪現場の対比を見事に描き出し、極上のネオ・ノワールを作り上げた。
物語の随所に挟み込まれる『マルタの鷹』や『三つ数えろ』といった古典名画のフッテージ映像は、主人公の主観や感情とシンクロするようにカットインされる。巧みな編集技術によって織りなされるミステリー・サスペンスの緊張感は、視聴者を常にスクリーンへと釘付けにする。過去の映画へのオマージュでありながら、まったく新しい映像体験として完成されている点が批評家筋からも絶賛される理由だ。