画面越しにも香ばしさが伝わってくるような中華料理のリアリティ。その裏側には、緻密に計算された撮影の工夫と、タレント同士の奇跡的なコンビネーションが存在していた。
父親役を務めた「ぐっさん」こと山口智充と女優陣との息の合い方は見事というほかない。山口智充のダイナミックで温かみのある食べっぷりに引っ張られるように、娘役のキャストたちも全身全霊で回鍋肉にかぶりついた。撮影現場では何皿もの炒め立ての中華料理が用意され、カットがかかっても勢いが止まらないほどの熱気に包まれていたという。
冷めてしまっては出ない湯気、タレのツヤ、キャベツのシャキッとした音。一瞬の最高点を逃さないスタッフのこだわりと、山口智充率いる「家族」のリアルな食卓風景が重なり合ったことで、あの伝説的な名シーンが生まれたのだ。