児童文学の領域において、本作の位置づけは極めて特異だ。大手絵本情報サイト「絵本ナビ」に寄せられる膨大なレビューを見ても分かる通り、評価を寄せているのは子どもへ読み聞かせをする親ばかりではない。「母の日に実家の母から贈られた」「結婚する娘へのプレゼントに選んだ」といった大人同士の贈答体験談が絶えないのだ。
出版業界においても、育児・子育て本というジャンルの垣根を軽々と越え、成人向けのギフトブック市場を開拓した金字塔として分析されている。子どもに与えるための本という従来の定義を覆し、人生の節目で自分自身や大切な誰かのために買い求められる本。絵本ナビでの高いレーティングと衰えぬ人気は、この作品が時代や世代の消費トレンドを越えた「人生のバイブル」として定着した証左にほかならない。