NHKをはじめとする主要放送局のアナウンサーやプロのナレーターは、本番前にどのような調整を行っているのか。実は、力任せに早口で捲し立てる練習などプロは絶対に行わない。
第一線で活躍するプロが実践する最大のコツは、「極限までスピードを落とした超低速トレーニング」だ。噛みやすいフレーズをあえて通常の3倍ほどの時間をかけて、スローモーションのように「と・う・きょ・う・とっ・きょ…」と大げさに唇と舌を動かして発声する。速度を落とすことで、脳が正しい筋肉の軌道を正確にインプットするのだ。
さらに、声優・アナウンス業界で徹底されているのが「母音分離法」である。例えば「東京特許許可局」なら、子音を取り除き「オウキョウオッキョキョカキョク」と母音の音形だけで丁寧に発音する。母音の骨組みが整うと、子音を乗せた瞬間に驚くほどクリアな声の通りが実現する。