ネット上の激しい反発を受け、現地の主要動画配信サービスは極めて迅速かつ厳しい動きを見せた。若年層を中心に絶大な支持を集めるBilibili(ビリビリ)や、メディア大手の腾讯视频(テンセントビデオ)から、アニメ版および原作電子書籍が一斉に削除されたのだ。評価レビュー欄は最低点の「1点」で埋め尽くされ、検索結果からも作品名が消し去られるという徹底ぶりだった。
この背景には、当局による厳格な中国コンテンツ検閲の存在が見え隠れする。現地プラットフォームにとって、歴史認識や政治的トラブルに巻き込まれるリスクは事業継続そのものを揺るがす死活問題だ。たとえ意図的でない過失であっても、批判の矛先が自社プラットフォームに向く前に自主規制として作品を取り下げる傾向が強まっている。市場の成長と表裏一体で存在する検閲リスクの鋭利さを、見せつける結果となった。