インターネットの検索窓やSNS上で定期的に浮上するのが、「死柄木弔の声優は途中で変わったのではないか?」という疑問です。報道や公式クレジットを確認すれば明らかな通り、アニメ第1期から終幕に至るまで死柄木弔役の声優は一切変更されていません。では、なぜこのような憶測が広まったのでしょうか。理由は大きく2つ存在します。
1つ目の理由は、死柄木弔の過去――本名である「志村転弧」の幼少期を描いた悲痛なエピソードにおいて、専任の子役声優がキャスティングされた点です。死柄木弔の幼少期(志村転弧)の声優を務めたのは関根有咲です。個性「崩壊」が予期せず発現し、実の家族や愛犬を自らの手で灰にしてしまった凄惨な過去回で、関根は救いを求めながら絶望に呑まれていく無垢な少年の悲鳴を迫真の芝居で演じ切りました。大人の死柄木(内山昂輝)と幼少の転弧(関根有咲)という明確な演じ分けが存在したことが、一部のライト層に「声優が交代したのか?」という誤認を与えた背景にあります。
2つ目の理由は、内山昂輝自身の演技アプローチの劇的な変貌です。第5期終盤での覚醒を経て、第6期「全面戦争編」以降の死柄木は発声の重心が劇的に下がりました。さらにオールフォーワンの意識が混ざり合う演出も加わったことで、「初期のヒソヒソ声と同一人物とは思えないほどの声圧」が生まれたのです。声優が交代したのではなく、役者がキャラクターの変容に合わせて肉体と発声を極限までトランスフォームさせた結果生まれた錯覚こそが、噂の真実です。