大塚明夫が演じるオール・フォー・ワンの足跡を語る上で欠かせないのが、アニメ第3期で描かれた「神野の悪夢(第48話〜第50話)」です。姿を現すだけでプロヒーローたちを一瞬で行動不能に陥れ、現場を絶望の淵に突き落とした初登場シーンの破壊力は凄まじいものでした。
この戦いで彼が放った「君がすべてを失って、ただ立ち尽くす姿が見たかったのさ」というセリフは、ヒロアカ史上に残る屈指の名言であり、彼の歪んだ本質を象徴しています。オールマイトの精神を削り取るためだけに用意された数々の言葉が、大塚明夫の艶やかで冷酷な美声によって紡ぎ出されることで、台詞の持つ毒が何倍にも増幅されました。
また、タルタロス刑務所からの脱獄シーンや、死柄木弔の精神世界に干渉する場面など、登場回を重ねるごとに「声の支配者」としての凄みが増していった点も見逃せません。