「これは金融犯罪ではないのか」——世論からは厳しい声が相次いだ。しかし、結論から言えば警察による立件や逮捕には至っていない。そこには、金融商品取引法と暗号資産をめぐる法制度の「隙間」が存在していた。
当時の法律において、VALU上で取引されていた「VA」は、金融商品取引法が規定する有価証券には該当しなかった。そのため、株式市場であれば明確な違法行為となる「インサイダー取引」や「見せ板」といった相場操縦行為の法的適用が困難だったのだ。また、詐欺罪の立証に関しても、最初から騙す意図があったことを証明するハードルは極めて高く、法的な灰色の領域(グレーゾーン)に取り残される結果となった。