最終巻の大きな見どころは、試合の勝敗だけでなく、主人公・黒子テツヤが貫き通した「チームで勝つバスケットボール」の証明と、長きにわたる伏線回収にあります。中学時代に深い心の傷を負う原因となった親友・荻原シゲヒロが客席に現れ、黒子のリストバンドを掲げて応援する場面は、物語最大のトラウマを完全に克服した瞬間でした。
敗北を知った「キセキの世代」の面々もまた、黒子と火神の戦いを通じて、かつて失いかけていた「バスケが好きだ」という純粋な情熱を取り戻します。帝光中学時代の確執や孤独から解放された彼らは、互いを好敵手として認め合い、それぞれの高校で新たな一歩を踏み出しました。
エピローグでは、膝の手術とリハビリのために渡米する木吉鉄平を見送る誠凛メンバーの絆や、引退していく先輩たちの背中を受け継ぐ後輩たちの姿が描かれます。ラストカットで披露された黒子の爽やかな笑顔は、多くの読者に深い余韻と感動をもたらしました。