近年のスポーツバイオメカニクス研究によって、ピッチャーの球速や制球力向上に関する科学的な解明が急速に進んでいる。その中で最も重要視される技術要素が「ブラッシング」だ。
ブラッシングとは、腕を振り下ろす際に腕の内側(二の腕や前腕)を骨盤や太ももの付け根あたりに軽く接触させる動作を指す。この瞬間に腕の振りに急ブレーキがかかり、テコの原理で手首が支点となって前方に弾き出される。バイオメカニクスの分析によると、下半身の踏み込みで得たエネルギーが軸足のブロックによって上半身へ伝わり、ブラッシングを経て一気にボールへと集中することが実証されている。下半身のタメとブラッシングのタイミングが噛み合ってはじめて、打者を圧倒する伸びのある球が完成する。