パリやニューヨークのギャラリーを訪れると、壁面を覆う鮮烈な朱色と群青色に足を止める来場者の姿がある。かつて日本の小さな漁村で日常的に刷られていたダイナミックなデザインが、現代のミニマリズム建築やハイエンドな空間デザインと奇跡的な相乗効果を生んでいるのだ。
海外のデザインキュレーターは「この大胆な色彩構成と力強い筆致には、西洋のグラフィックデザインにはない野生的な生命力が宿っている」と声を揃える。額装されたヴィンテージの品が高額で取引されるケースも珍しくなく、日本の伝統的な大衆美術が国際的な評価を獲得する新しいフェーズに入ったと言えるだろう。