古神道や比較神話学の領域では、国常立尊を単独の神としてではなく、他の代表的な神格との「同体・表裏一体の関係」として捉える研究が古くから行われてきました。特に天之御中主神との主神論争、そして追放の神話構造を共有する素戔嗚尊(スサノオ)との同一人物説は、神道論壇において常に熱い議論の的となっています。
以下の比較表は、主要な神道古典・伝承文献をもとに、各神格の性質、配当された役割、民俗的特徴を整理した客観データです。
とりわけ興味深いのは、近代神道思想家たちが唱えた「スサノオ同一人物説」です。高天原を追われて出雲に降り、ヤマタノオロチを退治して地上の秩序を再建したスサノオの足跡は、神々から追放されながらも再び世を正すために現れる国常立尊の運命と驚くほど重なり合います。伊勢神宮外宮の神道思想である「度会神道(わたらいしんとう)」では、豊受大神・天之御中主神・国常立尊が三位一体の至高神として論じられており、古代から中世、近代に至るまで、この神は時代ごとに形を変えて日本人の深層意識に呼び戻されてきたことが分かります。
さらにスピリチュアルな文脈において、国常立尊は「巨大な龍神(金龍)」として視覚化されるケースが後を絶ちません。日本列島そのものが龍の形をしているという地相学的直感と結びつき、日本列島を大地から支える「国常立大龍神」としての信仰体系が、修験道や山岳信仰の現場で今なお強固に息づいています。