ゲスの極み乙女が音楽業界に与えた衝撃は計り知れない。それまでの邦楽ロックと言えば、シンプルな4つ打ちのリズムや分かりやすいコード展開が主流だった。しかし彼らは、変拍子やジャズアプローチ、変則的なセクション展開をポップスへと昇華させる「プログレッシブ・ポップ」という新しい概念を確立した。
ワーナーミュージック・ジャパンからのメジャーデビュー以降、「私以外私じゃないの」や「ロマンスがありあまる」で提示された音像は、キャッチーなサビと高度な演奏技術が完璧なバランスで同居していた。難解になりがちな音楽理論を、誰もが口ずさめるヒット曲へと変換する手腕。これこそが、彼らが一発屋で終わらず、長年にわたりシーンのトップランナーであり続ける最大の理由である。