「土佐日記」の構造は、一見するとシンプルでありながら、職人の緻密な計算に支えられています。中心にあるのは、厳選された小豆から炊き上げられた滑らかな舌触りのこし餡。この餡を、もっちりとした弾力とやさしい口どけを持つ求肥(ぎゅうひ)で丁寧に包み込みます。
そして最大の特徴が、外側全面に均一にまぶされた寒梅粉(かんばいこ)です。寒梅粉とは、もち米を蒸して餅生地にしたのち、白焼きにして微細に粉砕した高級米粉の一種。梅の花が咲く厳寒の時期に作られたことからその名が付き、独特の香ばしさとさらりとした手触りをもたらします。
口に含むと、最初に寒梅粉のさらりとした舌触りと穀物の香ばしさが広がり、続いて求肥の柔らかな伸び、最後に雑味のないこし餡の澄んだ甘みが調和します。甘ったるさが後に残らないため、緑茶はもちろん、深煎りのほうじ茶やブラックコーヒーとも見事な相性を見せます。