岡崎体育が『サン&ムーン』期に手掛けた楽曲群は、アニポケの音楽的アプローチを大きく革新したと評されています。その代表曲を振り返ると、彼ならではの綿密な計算と遊び心が随所に散りばめられていることが分かります。
第1弾となったエンディングテーマ「ポーズ」(2016年)は、作中で登場する新たなバトルシステム「Zワザ」のポーズを歌詞とダンスに落とし込んだ画期的なナンバーでした。子供が直感的に真似できるキャッチーさを持ちながら、裏で鳴るベースラインやファンク調のグルーヴは非常に高度で、音楽ファンを唸らせる完成度を誇りました。
続く「ジャリボーイ・ジャリガール」(2018年)では、ロケット団がサトシたちを呼ぶ蔑称「ジャリボーイ」をタイトルに冠し、カントリー調の軽快なリズムに乗せて「失敗しても前を向く子供たちの日常」を温かく肯定。そしてシリーズ後半を飾ったオープニングテーマ「キミの冒険」(2018年)では一転、ストレートな王道ポップロックを展開し、アローラ地方でのサトシの冒険と友情を力強く祝福しました。歴代の主題歌に見られる「キャッチーさ」「言葉遊び」「エモーショナルな成長物語」の3要素を高次元で融合させた手腕は、アニポケの歴史に新たな金字塔を打ち立てました。