結論から言えば、「ヨーホー(Yo-ho)」という言葉は、海賊同士が交わす「こんにちは」のような挨拶ではありません。その起源は14世紀頃の中英語にまで遡る、船乗りたちの労働の合図です。
当時の帆船では、巨大な錨(いかり)の引き上げや、風を孕んだ重い帆をロープで巻き上げる作業は、すべて乗組員全員の人力に頼っていました。波が荒れ狂う甲板で数十人が一斉に力を込めなければ、命に関わる事故につながります。そこで生まれたのが「Yo, heave, ho!(ヨー、ヒーヴ、ホー=せーの、引け!)」という号令でした。
この船上労働歌(シーシャンティ=Sea Shanty)のリズムに合わせて全員で「ヨー、ホー!」と声を張り上げ、呼吸を完全に一致させていたのです。つまり、船乗りが掛け声としてヨーホーを使った理由は、過酷な肉体労働を効率化し、船員同士の力を最大化するための実用的な合図に他なりませんでした。