改訂された富士山火山防災マップにおける最大の変更点は、溶岩流の噴出想定量が従来の約7億立方メートルから約13億立方メートルへとほぼ倍増した点にあります。過去5600年間に起きた噴火履歴の精緻な地質調査により、想定される火口の候補地点が従来の44地点から252地点へと大幅に広がりました。
この見直しに伴い、溶岩流が到達する可能性がある自治体は、山梨・静岡・神奈川の3県にまたがる27市町村へと拡大しました。最新のシミュレーションでは、山頂付近だけでなく山麓のどこからでも噴火が起こり得る前提で計算されています。
特に注目すべきは到達スピードの劇的な変化です。火口の位置によっては、富士吉田市や富士宮市の市街地にわずか2時間前後で溶岩の先頭が到達するシナリオが示されました。さらに時間をかけて流下した場合、東名高速道路や新幹線などの大動脈を寸断し、神奈川県の小田原市街や静岡市の清水港周辺まで達する可能性が盛り込まれています。