臨床現場を知る管理栄養士たちは、大人が乳幼児用粉ミルクを常用することに対して一様に強い警鐘を鳴らしている。最大の落とし穴は、タンパク質の不足と脂質の過多である。大人が1日に必要なタンパク質量を満たそうとして粉ミルクの摂取量を増やせば、同時に大量の脂質と飽和脂肪酸、コレステロールを摂取することになり、結果として容易にカロリーオーバーへ陥る。
さらに、粉ミルクには成人の腸内環境を整えるために必要な食物繊維がほとんど含まれていない。これを主要な食事に置き換えることで便秘や腸内細菌叢の乱れを引き起こし、腹部不快感や肌荒れを悪化させるリスクが生じる。加えて、消化酵素の分泌量が異なる大人が大量の乳糖を摂取することで、下痢や腹痛を起こす乳糖不耐症に似た症状を発症するケースも報告されている。