オフィスでのちょっとしたフォローや、プライベートでの手厚いお節介。一見すると善意に満ちた行動に見える。しかし、受け取った側に残るのは爽やかさではなく、どこか粘りつくような違和感だ。この違和感の正体こそ、相手が投げてきた「見えない貸し」である。
近年、過剰な親切心がもたらすハラスメント的な側面が注目を集めている。厚生労働省のストレスチェックやメンタルヘルスに関する啓発活動でも、職場の対人関係における「断りにくい過剰な介入」が離職や鬱屈感の原因として挙げられるケースが増えた。良かれと思ってやったことが、結果として相手の領域を侵食していく。この悪循環が現代社会をじわじわと蝕んでいる。