「モバイルの次はAIだ」。三木谷が打った次の一手は、グループ内に蓄積された数億規模の購買・金融・行動データを、自社開発およびオープンモデルベースのAI基盤と融合させることだった。2026年、楽天のすべてのサービス——楽天市場の検索体験から、カードの不正検知、証券の投資助言、旅行予約のパーソナライズに至るまで——は「Rakuten AI」という共通の頭脳によって一新されている。
単なるチャットボットの導入にとどまらない。出店店舗の業務効率を最大50%向上させる自動マーケティングツールの提供や、ユーザーの潜在的な購買欲求を予測する独自アルゴリズムは、他社のプラットフォームを圧倒するCVR(顧客転換率)を叩き出している。プラットフォームの価値を物理的なサービスから「予測精度の高さ」へとシフトさせた点が、このAI戦略の真骨頂だ。