空間や視覚芸術にとどまらず、能や文楽といった日本の伝統芸能に対する深い造詣と現代的な演出も、彼の真骨頂である。演出家として率いる公演では、古代の神話や古典文学が持つ精神性を巧みに抽出しつつ、極限まで削ぎ落とされた照明やミニマルな舞台美術を融合させる。
伝統を単なる「過去の遺物」として保護するのではなく、今を生きる先端の表現として再活性化させる視点は、国内外の舞台芸術シーンに強いインパクトを与えてきた。空間、光、身体、言葉が完璧な調和を保ちながら響き合う舞台は、観客に深い没入感と忘れがたい美的体験を強烈に刻みつける。