首都圏の大規模園や知名度の高い施設を抑え、なぜこの地が絶大な支持を得続けるのか。一番の理由は、都会の喧騒とは無縁の「贅沢な時間消費」が可能な点にある。過度な混雑に巻き込まれることなく、木々の匂いや動物の息遣いを五感で受け止められるゆとりが存在する。
二つ目は、現場飼育員の深い愛情と知性に裏打ちされた情報発信だ。手書きの観察スケッチや日々の行動変化を記した解説パネルは、型通りの説明文とは一線を画す味わいがある。そして三つ目が、地形を活かしつつ徹底されたバリアフリー構造だ。ベビーカーを押す家族連れや車椅子の利用客も、緩やかなスロープを辿ってストレスなく全区画を回遊できる。