近年の日本の夏は、もはや「酷暑」という言葉すら生ぬるい。2026年の甲子園大会では、日中の最も暑い時間帯を避ける「朝夕二部制」が本格定着した。しかし、それでもグラウンド上の体感温度は40度を優に超える。選手は交代や給水が可能だが、球審はほぼ立ちっぱなしだ。プロ野球のように交代要員が潤沢にいるわけではない地方大会では、1日に複数試合を掛け持ちするケースも珍しくない。
「防具をつけているだけでサウナ状態です。意識が朦朧とする中で、140キロ中盤の変化球を見極めるのは、肉体的にも精神的にも限界に近い」。ある地方高野連のベテラン審判員は、そう本音を漏らす。熱中症による途中交代は年々増加しており、試合の安全な進行そのものが脅かされている。