喪黒福造の口から飛び出す言葉は、どれも人間の痛いところを正確に突く。「私のアドバイスを忠実に守っていれば、こんなことにはならなかったのです」「人間、欲を出しすぎるとロクなことになりませんよ」といったセリフは、一見すると親切な忠告でありながら、冷徹な現実を突きつける刃となる。
また、名刺を差し出す際の「お金は一銭もいただきません。私がほしいのは、お客様の満足したお顔だけでございます」という決まり文句も味わい深い。無償の奉仕を装いながら、相手の魂や人生そのものを対価として奪い去る。この矛盾と皮肉に満ちたセリフの数々こそが、作品全体に流れるダークな美学を形作っている。