マウンド上で帽子を脱いだ際、大きく波打つ長髪をヘアバンドやヘアゴムでまとめる姿は、いまやダルビッシュ有のパドレスでの象徴的な髪型として完全に定着しました。ファンやメディアの間で長らく囁かれてきた「なぜあそこまで髪を伸ばすのか」という疑問に対し、本人は自身のYouTube動画やSNS、地元サンディエゴの取材で率直な理由を明かしています。
髪を伸ばし始めた直接の契機は、2026年春のパンデミックによるロックダウンでした。外出規制によって理髪店へ通う頻度が激減した際、「一度どこまで伸びるか試してみよう」と思い立ったことがスタート地点です。しかし、規制が解除された後も短髪へ戻さなかった背景には、アスリートとしての合理的な判断と独自の美意識が存在します。
第一に挙げられるのが「日常的なヘアセットやメンテナンスの簡素化」です。短髪を維持するためには2〜3週間に1度のペースで細かなトリミングが必要となりますが、長髪であれば結ぶだけで視界を確保でき、過密日程のなかで散髪に割く時間を最小限に抑えられます。
ネット上で広く信じられていたダルビッシュのヘアドネーション(医療用ウィッグへの毛髪寄贈)説については、本人が配信上で「善意の活動として素晴らしいこと」と賛意を示しつつも、最初からドネーションを目的として伸ばし始めたわけではないと述べています。善意の噂が先行した形ですが、ダルビッシュ自身は無理に美談へ仕立て上げることなく、自然体で自らのスタイルを選択している姿勢が窺えます。