ネット上の掲示板やSNSでは、「ダウンロードせずストリーミングで見るだけなら法的に問題ない」「広告を閉じれば安全」といった無責任な言説が散見されます。しかし、セキュリティ専門家や法曹関係者の見解は全く異なります。
まず技術的な観点において、ブラウザで漫画画像を読み込む行為自体が、端末の一時キャッシュフォルダへの「複製」に該当します。法的な解釈のグレーゾーンを突こうとする行為であっても、裁判所の判断基準や技術的証拠保全の進展により、摘発リスクは年々跳ね上がっています。
それ以上に深刻なのが、実質的なサイバー犯罪の被害です。海賊版サイトの運営原資は、正当な購読料ではなく「不正広告」と「個人情報の搾取」によって成り立っています。情報通信研究機構(NICT)やセキュリティベンダーの調査報告によると、悪質な漫画RAWサイトの約82%に悪質なスクリプトや不正リダイレクトが仕込まれていることが確認されています。
画面をタップした瞬間にバックグラウンドで不正な暗号資産マイニングコードが実行され、スマートフォンのCPUが限界まで酷使されてバッテリーが異常発熱・劣化する事例や、「ウイルスが検出されました」という偽の警告から偽アプリをインストールさせられ、クレジットカード情報や連絡先が抜き取られるフィッシング詐欺が多発しています。数百円の漫画代を惜しんだ結果、数十万円の詐欺被害や端末の故障を招くのでは、代償があまりにも大きすぎます。