俳優・大森南朋の父であり暗黒舞踏の巨匠・麿赤兒との知られざる親子関係を解き明かすと、そこには反発と尊敬が複雑に入り混じるドラマチックな絆が見えてくる。若き日は父の圧倒的な存在感に抗い、己の表現を模索した大森だが、歳月を重ねるごとに「気づけば父と同じような歩みをしている」と吐露することもある。芸能界において独特のルーツを持つこの親子は、プライベートで頻繁にベタベタする関係ではないものの、互いの出演作を静かに見守り、表現者として認め合う深遠な信頼で結ばれている。
最新作の舞台裏でも、父・麿赤兒から受け継いだ「身体性の凄み」が随所に発揮されている。現場での佇まいやセリフ一つに宿る絶妙な間合いの取り方は、長年暗黒舞踏のトップとして君臨してきた父の背中を見て育ったからこそ滲み出る唯一無二の武器だ。今やNetflixをはじめとするグローバル配信作品やNHKオンデマンドで過去の名作が世界中で視聴される時代となり、親子それぞれが異なるアプローチで世界中の観客を魅了し続けている。