現在の御堂筋線がこれほど巨大な輸送力を誇る背景には、歴史的な先見の明が存在する。大正から昭和初期にかけて大阪市長を務めた關一(せき はじめ)は、当時の街の規模からは想像もつかない巨大なトンネルと広い道路の建設を主導した。「将来の大阪には必ず大規模な地下鉄が必要になる」という固い決意のもと、10両編成の大型電車が発着できるホーム空間をあらかじめ確保したのだ。
当時としては破格のスケールで進められたこの鉄道事業は、現代の都市交通インフラの基礎となり、大阪の成長を支え続けている。先人の遠大な視点があったからこそ、現在の過密なダイヤ運行と大量輸送が成立している事実は、日本の交通史における奇跡と言ってよい。