一方で、人間の泥臭い欲望や無意識のメカニズムに着目したのが、精神分析学の創始者ジークムント・フロイトだ。フロイトの動理学的な視点によれば、人間は本能的な欲求(エス)と、それを抑圧・調整する超自我(スーパーエゴ)の葛藤の中で生きている。
現代の心理学において、「純粋さ」は葛藤の欠如を意味するのではない。日本心理学会のシンポジウムや論文でも議論されている通り、過度な防衛機制(歪曲や投影)を使わずに、自らの欲求と現実を適応させる能力として再定義されている。防衛機制を最小限に抑え、自分の内面にある素直な欲求や感情を恐れずに認めること——これこそが、臨床心理学的に見た「心が純粋な状態」である。