野菜を茹でると、ビタミンCやB群といった水溶性栄養素の多くが煮汁に溶け出してしまう。しかし、米と一緒に炊くことで、その溶け出した栄養と旨味がすべてお米に吸収される。栄養学的な観点からも、これはきわめて理にかなった調理法だ。
失敗しないための最大のポイントは、食材のカットサイズと水分量のコントロールにある。根菜類(人参、ゴボウ、サツマイモなど)は、1.5cmほどの大きめの乱切りにするのが裏ワザだ。高温蒸気でじっくり熱が入るため、崩れることなくホクホクの食感に仕上がる。一方、キャベツやきのこ類などの水分が多い食材を入れる場合は、水加減を通常より大さじ1〜2杯分減らすのがベター。加熱時間は通常の「白米モード」で十分だが、芯までしっかり圧力をかけることで素材本来の甘みが極限まで引き出される。
極上レシピの代表格が「丸ごとトマトと鶏もも肉の洋風ピラフ風味」だ。洗ったお米の上にコンソメと少々の塩コショウを混ぜ、中央にヘタを取った完熟トマトを丸ごとドンと乗せ、周りに一口大の鶏肉と乱切り人参を配置する。炊き上がったらトマトをつぶしながら全体をざっくり混ぜ合わせるだけ。トマトのリコピンと旨味成分のアミノ酸がお米一粒一粒を包み込み、洋食店顔負けの深みある味わいが完成する。