「口頭で言われただけだから法的な効力はないだろう」と甘く見るのは極めて危険です。出禁の意思表示は、口頭であっても店側の管理権者から明確に告げられた時点で成立します。これを無視して敷地内に一歩でも足を踏み入れた場合、直ちに刑事罰の対象となります。
適用される主な罪名は刑法第130条前段の「建造物侵入罪」(3年以下の懲役又は10万円以下の罰金)です。管理者の意思に反して立ち入った時点で現行犯逮捕の要件を満たします。また、入店後に退去を求められたにもかかわらず居座り続けた場合は、同条後段の「不退去罪」が成立します。
実際に、過去に出禁を言い渡された人物が「買い物をするだけだから問題ない」とコンビニやスーパーに入店し、店員に見つかって110番通報され、その場で逮捕された判例は枚挙にいとまがありません。出禁は単なるマナーの問題ではなく、国家権力による刑事処罰と直結する法的な境界線です。