事故が発覚したのは未明の午前3時すぎ。沖縄県沿岸を航行中だった作業船から、途切れ途切れの悲痛な救助要請が入った。第十一管区海上保安本部に緊張が走る。指令室のモニターに表示されたラストデータは、船体がわずか数十秒で急激に傾斜したことを示していた。
発生直後から現地入りした取材班が確認したところ、現場海域には燃料油の臭気が立ち込め、漂流物と白い泡が渦を巻いていた。突風による「一発波(フリークウェーブ)」に飲み込まれた可能性が高く、船体が耐えきれずに姿勢を崩したとみられる。現場の気象観測データによれば、当時は潮の満ち引きと強風が交差する特殊な海況が形成されていた。