1970年代から80年代の日本は、まさに写真出版業界の黄金期だった。日本写真家協会を中心に多様な才能がひしめき合うなか、加納典明は時代の最前線を駆け抜けた。アラーキーこと荒木経惟が「私写真」の極致へと向かい、篠山紀信が時代の顔となるスタアたちを華やかに切り取っていた傍らで、加納はどこまでも野生的で過激なアプローチを貫いた。
彼らが競い合うように生み出した写真は、単なる視覚メディアを超えて若者文化のバイブルとなった。当時の出版界には「写真を載せれば雑誌が売れる」という熱気が満ち溢れており、写真家たちは表現の境界線を押し広げるために日々命を削っていた。加納典明という異能の存在は、そうした狂乱の時代を象徴するもっとも尖った尖兵だったと言える。