2018年秋、菓子業界とファンの間に激震が走った。「生産終了」という見出しがニュースサイトを躍り、SNS上には買い占めや悲痛な投稿が溢れかえった。しかし、この騒動には大きな誤解が含まれていたのをご存じだろうか。
実際に製造終了を発表したのは、半世紀近くにわたり親しまれてきた「森永チョコフレーク」を扱っていた森永製菓株式会社である。同社は千葉県にあった子会社の工場老朽化や、スマホの普及によって「手が汚れるお菓子」が敬遠されがちになった市場変化などを理由に、2019年をもって歴史に幕を下ろす決断を下したのだ。
一方で、もう一つの雄である日清シスコ株式会社は生産を継続した。同社の「日清シスコ チョコフレーク」は、チャック付きスタンドパックの導入や、手が汚れにくいコーティング技術の改良を重ねることで、見事に時代の波を乗り越えてみせた。森永の撤退によって一時はカテゴリー全体の消滅すら危ぶまれたが、日清シスコがその暖簾を守り抜き、市場のシェアを独占する形となったのだ。