事件の土壌となったのは、最大派閥であった自由民主党の清和政策研究会に長年根付いていたノルマ超過分のキックバックシステムである。派閥が設定したパーティー券販売ノルマを超えた分が、収支報告書に記載されない「裏金」として議員側に還流されていた。
清和会内部では、この還流金が若手や中堅議員を取り込み、派閥の結束を固めるための強力なインセンティブとして機能していた。派閥幹部からの「記載しなくてよい」という口頭指導を疑うことなく受け入れたとする供述もあるが、長年国政の中枢にいた政治家がその違法性を認識していなかったはずはない。
派閥の権力維持装置として機能した裏金システムは、自民党内のガバナンスが完全に麻痺していた証左であり、派閥政治の構造的欠陥を世に知らしめる契機となった。