目撃者の証言や関係者の話を総合すると、騒動を引き起こした集団は純粋なコレクターなどでは決してなかった。SNSやダークウェブを通じて日当数万円で集められた「並び屋」の集団と、現場で彼らを遠隔操作する指示役たちだ。
「イヤホンをつけて誰かと通話しながら、周囲を威嚇している男たちが何人もいました。彼らはカードのキャラクター名すらろくに知らない。『何番の箱だ』『現金を渡すからレシートをよこせ』と、事務的なやり取りを繰り返していたんです」と、現場に並んでいた30代のコレクター男性は語る。
トラブルの発端は、別々のブローカーに雇われたグループ同士が、指定の入場整理券を横取りしようとしたことだった。現場での取り分をめぐり指示系統が破綻し、雇われ並び屋同士の鬱積した不満が暴力となって爆発したのだ。もはやホビーの領域を逸脱し、地下組織のシノギと化した転売ビジネスの醜い一面が露呈した。