無限城編における最大のクライマックスの一つが、珠代による無惨への奇襲です。自らの肉体を取り込ませるという捨て身の戦術。そこで投与された「人間に戻す薬」をはじめとする4つの毒は、無惨の細胞を確実に蝕んでいきました。力と力のぶつかり合いではない。純粋な知性と科学の力で、神のごとき力を持つ怪物を引きずり下ろしたのです。
この戦いは、圧倒的な強者に対して弱者がどう立ち向かうかという、現代社会にも通じる普遍的なテーマを示しています。彼女が調合した薬は、単なる毒ではありません。それは彼女が重ねてきた絶望の歴史そのものであり、無惨に対する強烈な怒りの結晶だったのです。