大手板金チェーンやディーラーのフロント担当者への取材によると、入庫相談の約4割で「部位の認識違いによる再見積もり」が発生しているといいます。SNSや相談コミュニティでも、「バンパーを擦ったと伝えて持ち込んだら、実際はフェンダーとヘッドライトのツメまで割れていて想定の倍の金額を請求された」「ドアを直すつもりで行ったらサイドシルまで歪んでいた」といった生々しい声が絶えません。
屋根を支える柱であるピラー類も、名称の混同が多い領域です。フロントガラスを挟む柱をフロントピラー(Aピラー)、前席と後席の間にある柱をセンターピラー(Bピラー)、後部ガラスを支える柱を「リアピラー(Cピラー/Dピラー)」と呼びます。特にAピラーやルーフサイドレールは、立体駐車場での接触や落下物事故で傷つきやすく、視界や車体強度に直結するためDIY補修が厳禁とされる重要保安部位です。
現場の整備士は次のように証言します。「お客様が『バンパーの端を少し擦っただけ』と仰って来店されても、実際にはフェンダーとのチリ(隙間)がズレており、内部のリーンホースメント(補強材)まで押されているケースが多々あります。パーツ名とともに、隣接するどのパネルとの境目に傷が達しているかを写真付きで共有いただくのが、最もトラブルを防げるアプローチです。」