そもそも、なぜこのような噂が定着したのだろうか。時計の針を1990年代に戻してみよう。彼が発表したインストゥルメンタル・ロックの金字塔『パッション・アンド・ウォーフェア』の時代から、彼の指先は常に注目の的だった。常軌を逸したワイド・ストレッチと、流れるようなレガート・フレーズ。当時のリスナーは、彼の演奏をスロー再生してもなお、その動きを信じられなかった。そこから「実は多指症なのではないか」という都市伝説が、まことしやかに囁かれ始めたのである。
さらに、彼が愛用するアイバニーズ製の3ネック・ギターや、特注の奇抜な楽器たちも、この噂に拍車をかけた。人間工学を超越した楽器を操る姿は、まさに異星人のそれだった。