隣の席との距離が近い。これが中洲の居酒屋の醍醐味だ。言葉が通じなくても、冷えたビールと焼き立ての皮があれば、不思議と会話が成立してしまう。スマートフォンの画面ばかりを見つめる現代社会において、この生々しい人間関係の交差は、ある種のデトックスと言えるかもしれない。
出張帰りのサラリーマン、地元の常連、そしてバックパックを背負った旅人。彼らが一つのカウンターで笑い合う。この光景こそが、かつてアジアの玄関口として栄えた博多のDNAそのものなのだ。デジタル技術では決して代替できない、泥臭い温もりがそこにはある。