朝起きてから寝るまで、私たちは常に通知に追われている。仕事のメール、SNSのタイムライン、絶え間なく流れるショート動画。かつては「便所スマホ」という言葉が定着するほど、トイレの中まで画面を持ち込むのが当たり前だった。しかし、それでは脳が休まる暇がない。
都内のIT企業に勤める30代の男性は、半年前からトイレへのスマホ持ち込みをやめた。代わりに壁に掛けたのは、シンプルな月めくりの紙カレンダーだ。「最初は手持ち無沙汰で落ち着かなかった。でも、数日経つと、ただぼーっと日付を眺める時間が心地よくなった。脳のコリがほぐれる感覚がある」と語る。デジタルデトックスの最後の砦として、トイレという閉鎖空間が選ばれているのだ。